研究開発情報

研究論文

論文の投稿先や、投稿テーマ、著者(研究員)をご紹介します。

シーズンパックにより製造したトマトジュース缶詰の膨張缶から分離した耐熱性芽胞細菌

Thermal Resistant Spore Forming Bacteria Isolated from Spoiled Canned Tomato Juice Manufactured by the Process of Fresh-squeezed Packing

長田隆 / ゴールドパック(株) 品質保証部 / 缶詰時報、Vol.88、No.7、727-732 (2009)

トマトジュースの加熱殺菌条件については、F0=0.7分が妥当な条件であるとされており、この条件が世界的に広く採用されています。(B.coagulansを指標にした、 121℃、42秒間の加熱殺菌条件)
しかし、1997~2000年の4年間に、シーズンパックによるトマトジュース缶詰で B.coagulansによるフラットサワー型変敗とは明らかに異なる、缶が硬膨張する変敗を経験しました。そこで、変敗問題の解決のため、膨張缶詰から変敗原因菌を分離し、その性状について調査し報告しました。

シーズンパックによるトマトジュース缶詰の製造工程における耐熱性細菌芽胞の汚染状況

Contamination by Heat Resistant Bacterial Spores during Manufacturing Process of Fresh-squeezed Canned Tomato Juice

長田隆,武居みどり ゴールドパック(株) 品質保証部 / 缶詰時報、Vol.88、No.7、733-743 (2009)

シーズンパックにより製造するトマトジュースの膨張変敗原因菌について、製造工程での汚染状況を確認するとともに、微生物学的な安全性を考慮した殺菌条件を検討するための基礎データとして、殺菌前のトマト破砕液に存在する耐熱性細菌芽胞数と種について調査し報告しました。

ニンジン搾汁液製造工程における耐熱性細菌芽胞の挙動

Microbiogical Condition of Heat Resistant Bacterial Spores Isolated from Carrot Extract during Manufacturing Process

長田 隆、山口博司、岩本直方 ゴールドパック(株) 品質保証室 / 缶詰時報、 Vol.86、No.12、1405-1416 (2007) / The Canners Journal、Vol.86、No. 12、1405-1416 (2007)

ニンジン系飲料は、原料となるニンジンが土壌細菌(主に耐熱性芽細菌)の汚染を受け易いことから、現状では厳しい加熱殺菌条件が採用されています。今後,高品質な製品を製造して行くには、一層良質な原料ニンジンを用いると共に製造工程における細菌芽胞汚染の実態を把握し、汚染防止を確かなものとする最適な製造条件を設定する必要があります。しかし、ニンジン飲料製造工程における細菌芽胞汚染を調査した報告は見当たらず、微生物学的基礎データが不足しています。そこで、ニンジン系飲料の微生物学的な安全性確保を目指した製造条件を確立するため、ニンジン搾汁液工程におけるニンジン搾汁液の耐熱性細菌芽胞数とその種について調査し報告しました。

ニンジンジュース(pH4.6)中における Bacillus coagulans および Clostridium thermosaccharolyticum 芽胞の耐熱性

Heat Resistance of Spores of Bacillus coagulans and Clostridium thermosaccharolyticum in Acidfied Carrot Juice of pH 4.6

長田 隆1)、花岡昌史1)、山本大吾1)、駒木 勝2) / 1) ゴールドパック(株) 品質保証室 2) 社団法人 日本缶詰協会研究所 / 缶詰時報、Vol.87、No.3、265-275 (2008)/ The Canners Journal、Vol.87、No.3、265-275 (2008)

本研究は、常温流通するpHが4.6未満のニンジンジュースの最適な加熱殺菌条件を検討することを目的として、pHが4.6未満の酸性飲料の殺菌対象菌であるB.coagulansと、ニンジンジュース(pH4.3~4.5)で変敗事例がり、変敗原因菌であった C.thermosaccharolyticumの2菌種を用いて、ニンジンジュース中における耐熱性を測定し、最適殺菌値の推定を行い報告しました。

学会発表

各種学会発表の発表先(学会・団体)や、発表のテーマをご紹介します。

平成21年11月12日日本缶詰協会 第58回技術大会 グランドホテル浜松(浜松市)

「超音波細胞破砕機を利用したトマトジュースのリコピン量測定の迅速化について」

山口博司[発表者]

平成16年11月12日日本缶詰協会 第53回技術大会 グランドホテル浜松(浜松市)

「ニンジンジュースにおけるBacillus coagulans 芽胞の耐熱性」

長田隆・花岡昌史[発表者]・山本大吾・駒木勝

平成15年12月9日長野県食品加工技術研究会 ホテル信濃路 (長野市)

「ニンジンジュースにおけるClostridium thermosaccharolyticum 芽胞の耐熱性」

長田隆[発表者]・山本大吾・駒木勝

平成15年11月14日日本缶詰協会 第52回技術大会 仙台エクセルホテル東急 (仙台市)

「ニンジンジュースにおけるClostridium thermosaccharolyticum 芽胞の耐熱性」

長田隆・山本大吾[発表者]・駒木勝

平成14年12月5日長野県食品加工技術研究会 長野県教員センター (長野市)

「トマト搾汁液中の有芽胞細菌の挙動」

武居みどり[発表者]・長田隆

平成12年11月9日日本缶詰協会 第49回技術大会 グランドホテル浜松(浜松市)

「色差計を用いたトマトジュース中のリコピン量の管理」

重田貴史[発表者]・長田隆

平成11年11月16日日本缶詰協会 第48回技術大会 東急ホテル(仙台市)

「ニンジンジュース製造工程中の有芽胞細菌の挙動」(第2報)

重田貴史[発表者]・長田隆・山口博司・清水康夫

「ニンジンジュース製造工程中の有芽胞細菌の挙動」(第3報)

長田隆[発表者]・太田真希子・清水康夫

平成10年12月15日長野県食品加工技術研究会 長野県工業試験所 (長野市)

「ニンジンジュース製造工程中の有芽胞細菌の挙動」

長田隆[発表者]・山口博司・岩本直方

平成10年11月5日日本缶詰協会 第47回技術大会 コスモスクエア国際交流 センター(大阪市)

「ニンジンジュース製造工程中の有芽胞細菌の挙動」

長田隆[発表者]・山口博司・岩本直方

受賞リスト

受賞した賞をご紹介します。

平成20年度日本缶詰協会技術賞 受賞

ニンジンジュース製造における耐熱性細菌芽胞の管理と最適殺菌条件の検討

ゴールドパック(株)品質保証室 長田隆・山口博司・(故)岩本直方・花岡昌史・山本大吾(社)日本缶詰協会研究所  駒木勝